理学的消毒法 : 美容師への道

理学的消毒法

理学的消毒法で主として使われるのが熱、紫外線を使用した消毒法です。

理学的消毒法で使用する熱には乾熱と湿熱があります。
理学的消毒法の場合、湿熱の方が殺菌効果があります。

これは、熱殺菌の原理は病原微生物の成分であるたんぱく質を変化させ、生活力を奪うためです。
たんぱく質の熱変性には含有する水分が関係し、水分の多いほうが低い温度で熱変性を起こしやすくなります。

水分の含有量が多いときには変性は低温で行われるため、乾熱より湿熱の方が殺菌されやすいのです。
このため理学的消毒法では、乾熱よる消毒は理容・美容では行われていません。

理学的消毒法による湿熱では、温度によって殺菌に必要な時間が関係してきます。
発芽を持たない細菌の場合、70℃以上では数分、100℃近い沸騰水中では速やかに殺菌されます。

また、蒸気消毒と煮沸消毒を比較すると、蒸気消毒では蒸気釜に入れた物品への熱の侵入が煮沸消毒ほど確実ではないので、煮沸消毒よりも時間がかかります。

理学的消毒法を行う場合は、作用時間は一定以上かける必要があり、安全性から言えばなるべく長時間作用させる方がよいでしょう。
しかし、あまり長い時間作用させることは消毒をするものにも損傷する危険がおおきくなります。

そのため、法規において消毒に必要な時間が示されています。